ホワイトハッカーの年収は経験や実績に左右されます。一般的には400~1,200万円程度といわれています。経験値は年数で図ることができますが、実績については現場によって基準が異なります。その中で特に重視されるのは、特定の分野での経験です。例えば、機密情報を扱う金融業界では多くのホワイトハッカーが活躍しています。その中でも、銀行、証券、保険などジャンルは多岐に渡るため、ホワイトハッカーとして働く場合はどの業種を重点的に扱っていたのかが重視されます。銀行は高いレベルのセキュリティが求められる分野なので、実績があれば非常に重宝されるでしょう。
ホワイトハッカーの雇用先の1つは民間企業です。特に多いのはセキュリティ会社やデジタルサービスを行う企業でしょう。ハッキングに特化した業務をしたい場合は、ハッキングサービスを提供しているセキュリティ会社が候補になります。最近はインターネット上で商品の販売を行うサービスが増えています。そのようなデジタルサービスを行う企業では多くの個人情報を扱っているため、ホワイトハッカーの存在が不可欠です。企業としてデジタルサービスの売上が多ければ多いほど、システムにサイバー攻撃を受けた際のダメージが大きくなります。そうならないためにも、セキュリティに関する専門的な知識を有するホワイトハッカーを好待遇で迎え入れています。
それ以外の企業でも、ホワイトハッカーを採用するケースが増えています。例えば、コンサルティング業界はクライアントの様々な機密情報を抱えています。情報漏えいを防ぐためにも、厳重なセキュリティが求められます。また、近年はITシステムを活用して製品の製造や管理を行うケースが増えてきました。サーバがサイバー攻撃を受ければ、生産が停止する恐れがあります。そのため、各メーカーでホワイトハッカーの採用が進められています。
民間企業と並び、ホワイトハッカーの雇用先として候補に挙げられるのが政府機関です。厚生労働省や自衛隊管轄の政府機関では、多くのホワイトハッカーを必要としています。国の重要機密を守るために、ホワイトハッカーの採用を進めている状況です。なお、応募資格の1つには実務経験5年以上の指定があります。重要な情報を扱う現場だからこそ、高い専門性とスキルが求められます。そのため、民間企業で経験を積んだ上で政府機関に就職するホワイトハッカーも多いようです。