サイバー攻撃とは、サーバや情報端末に対して行われる攻撃の総称であり、これによってデータの改ざんや流出、破壊がされてしまいます。サイバー攻撃の対象は大手企業や政府機関のイメージが強いですが、中小企業や個人が狙われるケースも少なくありません。
政府機関やインフラ事業者などをターゲットにしたサイバー攻撃は社会経済活動や日常生活に多大な影響を及ぼすため、サイバーテロと呼ばれます。日本においても、過去に何度かサイバーテロの被害に遭っています。
近年、世界中でサイバー攻撃の数が増加傾向にあります。情報通信研究機構の調査によれば、サイバー攻撃に関連する通信は10年間で66倍も増加しており、特に2021年の東京オリンピック期間中にはシステムやネットワークに対するサイバー攻撃が4億5,000回もありました。また、サイバー攻撃の数は国際情勢にも左右されます。ロシアがウクライナへの侵攻を始めた際は不正アクセスの数が通常の25倍も検知されるなど、その時々の状況に応じてサイバー攻撃の様相も変化しています。
少し前までは愉快犯によるサイバー攻撃が多く、嫌がらせなどの目的で行われるケースも少なくありませんでした。しかし、最近は金銭目的でサイバー攻撃を行う、より悪質なケースが増加しています。例えば、サイバー攻撃の一種であるランサムウェア攻撃は、国内における被害件数が2020年下半期から2021年上半期の間で3倍も増加しています。こういった金銭目的のサイバー攻撃が増加した理由の1つとして挙げられるのが、サイバー攻撃用ツールの流通により専門的なスキルが不要になった点です。また、盗まれた情報は高額で取引されるため、金銭目的のサイバー攻撃が後を絶たない状況に陥っています。
中小企業は大手企業に比べてセキュリティ対策が手薄なため、近年はサイバー攻撃のターゲットになりやすい傾向にあります。十分な予算が確保できないのでセキュリティツールの導入やホワイトハッカーの配置が難しく、企業としても知識不足の状況です。サイバー攻撃によって顧客の個人情報やクレジットカード情報が流出し、サービス停止に追い込まれるケースも少なくありません。
また、大手企業を最終的なターゲットにして、その踏み台として中小企業が狙われるパターンもあります。自社だけでなく取引先に被害が及ばないようにするためにも、セキュリティ対策は必須といえます。